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International Workshop: from Yoga to Reiki

International Workshop “Modernization, and Spiritual, Mental and Physical Practices: From Yoga to Reiki” 近代化と霊的・精神的・身体的実践――ヨガからレイキへ―― 日時:2015年12月12日(土)・13日(日)…

Workshop: Modern Japanese psychotherapies and theories of the state

京都大学人文研 共同研究「日本宗教史像の再構築」(11)ワークショップ 「近代日本の霊的な心身技法と国家論」 日時:2015年9月12日(土)午後1時~午後5時30分 会場:京都大学人文科学研究所1Fセミナー室1 報告①:並木英子(国際基督教大学)「『耶蘇教審判』にみる本田親徳のキリスト教認識」 報告②:野村英登(二松學舍大学大学非常勤講師)「陽明学の近代化における身体の行方」 報告③:栗田英彦(日本学術振興会)「岡田式静坐法にみる国家観―身体・技法・霊性―(仮題)」 報告④:塚田穂高(国学院大学)「霊術・身体から宗教・国家への跳躍―三井甲之の手のひら療治―(仮題)」 コメント: 永岡崇(日本学術振興会)・師茂樹(花園大学) 司会: 吉永進一(舞鶴高専) 京大人文研が主宰する「日本宗教史像の再構築」と共同研究において、本科研代表者が組織するワークショップが開催され、霊術/精神療法の技法と国家論の関係について、本科研メンバーも参加し報告を行った。 第一報告では、本田親徳の『耶蘇教審判』を取り上げ、そこに見られるキリスト教認識を分析した。政府の欧化政策や、明治16年から17年まで続いた教派を越えたキリスト教信仰覚醒運動に危機を感じて執筆された同書は、会沢正之(水戸学)の「民を惑わし国家を転覆するキリスト教」観を引用し、処女懐胎についての独自の見解などによってキリスト教を非倫理的なものとして描く一方で、平田篤胤の影響を受けた天御中主を中心とした宇宙観を打ち出した。 第二報告では、井上哲次郎によって国民道徳心を養成するものとして特徴づけられた陽明学が、学術的な議論の上では坐法や呼吸法により個人と自然を結びつける実践などの身体性を無視されていくこと、一方ではその後の静坐法ブームのなかでそうした身体技法が復活してくることが示された。 第三報告では、精神修養と身体技法を結びつけて知識人層に多数の支持者を得た岡田式静坐法の中に、「近代的」な背景としてのナショナリズムを見ると同時に、岡田がR.W.エマーソンに受けた大きな影響(自己の本質を自然の中に把握するという考え方など)に代表されるような、トランスナショナルな側面も見出していく。 第四報告では、歌人であり代表的右翼思想家である三井甲之が、精神療法の一種である臼井甕男の霊気療法をもとに編み出し、「国民宗教礼拝儀式」と位置づけようとした「手のひら療治」を題材に、国家論を持つ身体技法が「宗教化」へと到達していくさまが紹介された。…

Research meeting: “Miraculous energies: from the viewpoints of the history of science and the sociology of religion”

「霊妙なエネルギーたち――科学史と宗教社会学の視点から」 日時:2015年3月13日(金)午後1時半~午後5時頃 会場:東京大学本郷キャンパス教育学部2階213室 報告①:平野直子(早稲田大学)「プラナ、オーラ、霊気とお手当て――1920-30年代「精神療法」のなかの臼井霊気療法――」 報告②:中尾麻伊香(慶應大学)「放射線研究とスピリチュアリズム――ラジウムの解釈を中心に」 コメント: 奥村大介(慶應大学) 司会: 吉永進一(舞鶴高専) 2014年度第2回研究会では、霊術/精神療法などでしばしば見られる「生命エネルギー」についての宗教社会学からの報告と、同時代における放射線(ラジウム)に関する言説の科学史的分析からの報告が行われ、両者をつなぐ観点について司会とコメンテーターから重要な指摘が行なわれた。冒頭で司会が示したように、たとえばハネフラーフの「オカルティズム」論に見られるように、欧米での近代エソテリシズムに関する議論の特徴として、機械論的・交感的宇宙観が挙げられる。機械論的・交感的宇宙観には個々の存在物どうしの相互作用を可能にする「力」「波動」、あるいはそれを伝達させるための「媒体」(何らかの流体や微小物質が想定される)の概念が必要になるが、日本の霊術・精神療法にはしばしば相互作用は「念ずればおのずから起こる」という発想が見られ、必ずしも「力」「波動」「媒体」についての説明が必要とされなかった。このことを念頭に、霊気療法の「霊気」とはなにか、また科学思想史上または通俗科学言説における放射線(ラジウム)との関係はいかなるものかが議論された。 第一報告では臼井霊気療法における「(心身から発する)気と光」=「霊気」という生命エネルギーの発想がどこに由来するのかが論じられた。「霊気」の言葉自体は霊術・精神療法において古くからの用例があり、その中には玉利喜蔵など、近世儒学の系譜に連なるものもある。しかし臼井霊気療法と関連が深いのは特にニューソートの影響を受けた「プラナ療法」「アウラ療法」であることが示唆された。第二報告では、放射線の研究が刺激した未知の力に対する想像力が、錬金術やスピリチュアリズムへの関心と重なりあっていたことを指摘。日本においても放射線が知られるようになった20世紀ごろから、「精神作用」と「ラジウムの放射作用」を類似するものと表現する言説が広く見られるようになり、「千里眼」の説明や、ラジウムの霊的能力への期待となって表れた。のちにはラジウムが心身に霊妙な作用をおよぼすことを期待した温泉などのブームも起こった。 コメントでは、科学思想史の視点により物質や力の表象のされ方とその背景にある思想について整理がなされた上で、日本へのそれらの概念の導入のされ方が論じられた。また、霊術/精神療法における「生命エネルギー」についても、「人体から発するもの/世界に遍在するもの」のアイデアが混在していることが指摘され、それらと関連する科学史上の概念や、それらが輸入された時期の問題など、新たな課題が見出された。