日時:2015年8月2日(日)午後1時~午後6時
会場:東京大学本郷キャンパス教育学部2階213室
報告①:Kenta Kasai, “Introducing chaplaincy to Japanese society: an experience of Institute of Grief Care, Sophia University”
報告②:Tetsuro Tanojiri, The concept of vital energy: Global transfer process of body knowledge in Noguchi-Seitai(野口整体), Japanese Mind Cure
報告③:Kurita Hidehiko, Breathing Methods as a Crossroad between the Localization of Western Ideas and the Acculturation of Japanese Tradition
報告④:Hirano Naoko, American Metaphysical Religion in *Seishin Ryōhō* and Reiki Ryōhō in 1920s-1930s Japan
2015年第一回の研究会では、9月に行われる国際宗教史学会(IAHR)での発表を控えたメンバーの予行演習が行われた。
葛西賢太(宗教情報センター)による第一報告では、日本において「グリーフケア」の制度化された教育プログラムを最初に提供した上智大学のグリーフケア研究所の設立の経緯を紹介し、日本におけるチャプレンの導入について論じる。
田野尻哲郎(東京大学)による第二報告は、20世紀初頭における野口整体が、西洋のスピリチュアリズムや神智学、代替医療と日本の修養的実践を、近代日本の文脈において解釈しつつ統合したものと描き、これらの知識の移動プロセスを分析する。
栗田英彦(日本学術振興会)による第三報告では、陰陽や気の概念に基づく日本近世以来の呼吸法が、いったんは明治維新後に西洋の健康法の知識に置き換えられたものの、20世紀になってニューソートの考え方が移入される際に、新たな意味づけをともなって再び浮上してくるプロセスが論じられる。
平野直子(早稲田大学)による第四報告では、1920年代から1930年代の日本で人気のあった代替療法のひとつ、「精神療法」に、”American Metaphysical Religion” (アルバニーズ)の言説がいかなる影響を与えたかを、臼井甕男の霊気療法を題材にして明らかにする。